キン肉マン 第136話 キン肉族を捨てた男!!の巻

 今週の要約:
王家を取り巻くシステムはクソ!! 昔の俺はもう限界!! 更地にしてやりたかったんですけどおおおおおおお!!!!
おっと王家でも兄さんはメチャクチャいい奴だから安心してくれ。
まぁそんな敬愛する兄の孫でもイレギュラーだからお前は死んでね。

兄さんは悪くない

 旧シリーズでキン肉王家の隆盛に欠かすことの出来ない存在としてたまにピックアップされてきたキン肉タツノリが、ここに来てまたも登場。なんとネメシスの兄でした。
地獄をさんざっぱら見てきたネメシスがドコのナニを言うのやらと身構えていたら、明かされたのは肉世界の地球人もやらないようなキン肉王家の闇の闇。ヤベーぞキン肉王家!滅びろキン肉王家!だったのが記憶に新しいのでタツノリはどうなるんだとビクビクしてたけど、ものすごくいい兄ちゃんでホロリときました。

 先週はやけに疾走感溢れるコマのみで仲の良さを語られてたけど、今回は兄弟がどれだけお互いが好きなのかよくわかる絶妙な回想。
この回想だけでご飯四杯いけます。
 「お前の処刑日が決定した」の発言のみで、兄が訪れた意味が分かる弟のニュータイプぶり。
 「慈悲の心が欠けている」の指摘も精神性を否定するのではなく『くれぐれも気をつけろよ』とだけ付け、相手のスタイルを何も否定しない、押し付けがましくもない言い回し。
 弟をまともに救えない自分の情けなさに涙しながらも、別れの言葉には涙ひとつ見せない兄の漢ぶり。

 お互いの言いたいことが分かるし、尊重する者が真心で接してくるからこそ敢えて口を挟まない、今シリーズのテーマとされる『リスペクト』を体現する重要な要素がまた一つ重点された感じです。
ただ転向のきっかけの話をしてるだけなのにめっちゃ重い……

 それにつけても優秀な弟を幽閉して存在も風の噂も封殺に抹殺だわ、兄が実権を握り切る前に弟処刑だわ、こんな善良なタツノリ兄さんを無力感で泣かす元老院ってホントにマジクソクズファックだな!
ゆで描写で割と酷い設定になってるキン肉族王政にクズ機関が補填されたなんてやっぱり更地にしないといけないと思うんですけど!(ネメシス感)

 ちゅーか『俺が王になるべき!』『こんな目にあわせたクズ共許せん!』じゃなくて
『優しい兄貴が王なら政治できない俺は一生牢屋でいい』『こんな高潔な兄貴苦しませるクズ共は皆殺しでいいよね』ってタツノリ好きすぎやろ……
大抵どころかスグル王子すら不幸自慢してもこんなの反論の余地ないし……

これはあのシルバーの……!?

 とりあえず海に行ったネメが出会ったのは2コマで見つかる“聖なる完璧の山”とミラージュマンさん。
相変わらずラスボスみたいな見た目をしてるが今週の彼は完璧にホラー映画に出てくる絶叫モンスター。

 無表情+涙腺の下のライン+返り血+ゴロゴロ転がってる死体は控え目に言っても虐殺マシーンと認定するしかなくて怖すぎます。
将軍級のフィジカルにすごいドリルとすごい幻覚術を備えたミラージュさんは将軍が直接倒さなきゃ戦略が成り立たなかったろうなって雰囲気が数ページで伝わってくるのがグッド。
あっさり負けちゃったけど、やっぱ六騎士がカレイドスコープドリラー食らったらバラバラになって死にそうだよね。

 そしてフォーム一つで袂を分かった昔の同志を思い出す流れがまた実にいい……
なんて仲がいい人達だったの……