騎士竜戦隊リュウソウジャー TVシリーズ完結によせて

 先にハッキリ言う。

1年間お"い"し"か"っ"た"ぞ"!"!"!"!"

1月から最後までもう泣いちゃった話ばかりで…

 

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 最悪だぜ…スーパー行ったらリュウソウジャーふりかけしか無いなんてよ…

 

 リュウソウジャーの個性的なつくり

 リュウソウジャーといったら戦隊のお約束に依らない「どんな暴投でも必ず理屈をつけて三振をもぎとる」ゆで理論を彷彿とさせる理屈の暴力(そんな納得いかないとまではならないギリギリの暴力)ですが、これはやはり主だったスタッフの相性による要因が大きいでしょう。

東映側のプロデューサーには実写セーラームーンから飛んで捜査一課9係や遺留捜査など刑事ドラマに携わってきた丸山真哉さん。

シリーズ構成相当には世にも奇妙な物語とか、遺留捜査とかNHK荒神とかマジすか学園(これは観れてない…)に参加していた山岡潤平さん。

 近年のスーパーヒーロータイムはドラマ畑の人を呼んで換気しようかって動きがあるようですが初投入される人が多すぎる。上堀内さんだって戦隊撮ったことねぇんだぞ!お前ら待てよ!と思ってたのも懐かしい。

 シリーズ開始当初は「イカれてるけどまぁ遺留捜査の人らしい暗い話だな…」って観てたんですが、とにかく理屈をつけてオトす刑事ドラマスーパーヒーロー・アクション番組ならではのテンプレートをバラして作り直すのに試行錯誤るスタッフの格闘悪魔合体が見事に功を奏したのがこの番組の特長ではないでしょうか。*11時間番組を30分にまでゴリゴリ肉抜きしてるような出で立ち(ロボ戦すらバッサリ捨てる)なのに割と納得できて面白い…どうなっとるんや…

 これらが番組側で調整でき始めたのはワイズルー様登場後の「子供は歌が好きだ!!!」フードンドコドーンが出てくる7~8話の前後編だと思います。

ここから山岡センセイだけでなく各ライターの担当も面白くなっていくのも不思議ですね。ベテラン荒川さんとか最初は(これリュウソウジャーじゃなくて普通の戦隊だ…)だったのに空手回以降はあっさり馴染んでるし、全体的にフレッシュなチームなのに登場人物の描写に結構統一感があるのも凄い。見た目に反した細やかさが伝わってくる…そういうテクニカルなところが嫌いや…

 ある意味カーレンジャーと同じ誰も追随できないタイプの戦隊として駆け抜けてしまった…もう一度似たようなものを味わうには山岡センセイに帰ってきてもらう必要があるでしょう。

ビルドの武藤さんといい、会話劇が上手い人がゴールデン帯以外で活躍するシーンはもっと見てみたいですね。

 

 21世紀戦隊流エルフの物語

 途中までリュウソウジャーはアーサー王伝説的な騎士道ではなく、古代ケルト的な騎士道を想定して作られてるのかなと思ってましたが、最終的には「古代ケルト人/エルフ的な人達による中世騎士物語」に着地していったのが印象的です。

  • 現代に伝わるリュウソウ族の騎士の掟の原点には、現代から中生代にタイムスリップしたリュウソウ族が関わっていた
  • 現代のリュウソウ族も持ち前の凶暴性による案件が生まれていたが、騎士の掟を受け継いだ子孫達が克服していった
  • 最終盤における「誰しも過ちを犯すが、それを乗り越えることはできる」は、1話2話から既に語られていた→テーマそのものは一貫していた
  • つまりリュウソウジャーが使命と同時に仲間を想う気持ちが育ち!それがナダを救う鍵になっていたことも!エラスもふーん理解したわって納得させたことも!全てスタッフの計算通りなんだよ!!
  • Ω ΩΩ

書きたいことが全部東映公式サイトに取られてるので何言ったらいいかもうわかんねぇんだけど…

人類が蚊帳の外でリュウソウ族というエルフ、怪物だと思ったらエルフの亜種だったドルイドン、両方の神だけで話を回してしまった独自性凄いよね…書くことが思いつかねぇ…

 

最終回の感想

  • ワイズルー様が最終決戦というビッグなエンターテインメントをただ眺めて拍手する側にもなったという凄まじい変化を絵でしか説明しないリュウソウ流演出
  • 「失敗から学ぶこともある…」道徳の話からノータイムでフィットネス事業失敗の話に移る長老に脳が追いつかない
  • あれはただのトワではない…光だ
  • 後生だから勇動マックスリュウソウレッド出して♥
  • カナロの乙女な気持ちはわかるけどカナロに矢印向くのはアスナじゃなくてオトちゃんみたいな女子が大半だよね。ところでおはなしCDっていうのがあるんですけど
  • 兄離れより弟離れの方が矯正しづらいのいいよね…
  • ういちゃん帰ってきてよかった…

 

 戦隊シリーズは履歴に書くだけならTVシリーズ全部見てきたつもりですが、21世紀に入って毎週泣かされる羽目になったのはゲキレンジャー(ジャンパパの話)以来だと思います。

なんていうかゴセイジャー仮面ライダーゴースト観てた時と感覚が近いんですよね…土を舐めながらプリミティブな前のめりの努力をやってる姿に弱いというか…一ノ瀬くんや兵頭くんの演技にビリっと感じたのかもしれない。

それが爽やかに完走してしまって現実感薄くてまだどうやって来週を迎えたらわからんけど…戦隊って大体そういうところありますからね。今回かなりクリティカルだったというだけで…とにかく

 

 一年間、お疲れさまでした。

 キラメイジャーも楽しみ!

 

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*1:リュウソウジャーは結構刑事ドラマっぽい空気が濃いとも思います。コウ、アスナ、メルトは波乱の中刑事課にやってきた新米。バンバとトワは既にキャリアを積んでる刑事。カナロは所轄が違うのになんか一緒にいるライバルっぽくないキャリア組。