「恐竜戦隊ジュウレンジャー」配信満了に寄せてメモ乱雑

東映特撮youtubeにおいての【恐竜戦隊ジュウレンジャー】がついに完結を迎えました。
めぐりゆく命を次代へ運んでいこうという大団円として、盛大に収まった。
実際、これで問題は何もないし、なんかもしかしたらメモする必要なかったかもしれない。

・しかし、大団円であるこの一連に隠し玉を寄せてるのがぼくらの猛者・杉村升氏をはじめとするスタッフ達でした。
その隠し玉が、恐竜の卵及びグリフォーザーとラミイの間で生まれた新しい命の皆さん。
収束への一翼を担う役割を持った彼らは、同時に新しい物語・アフターを想像させてくれる、
最後の土壇場に贈られた本格的・ギミックホビーである可能性があります。



・ハッピーなエンドの象徴である二方ですが、生まれたてにして数奇な運命を辿るであろうことを
次々想起させてくれる面白いキャラクターになっているんですね。

・恐竜の赤ちゃん。アダムとイブという位置付けで生まれ、祝福されているも、
生まれた瞬間に現生人類から数的なアドバンテージを取られている模様。

・片や、グリフォーザーとラミイの子供。悪である魔女の部下として封印されている両親を、
彼がどう見るかだけでも様々な妄想を掻き立てられる。(封印の呪いがこの子供にも適用されているのかは、不明)

・天に昇った大獣神も、双方の子供達を如何な視点で眺めるのか?とアレコレ喚起させられます。
言うことがいちいち鬼畜ですが、最終的には何だかんだ甘い措置を取るケースもありますからねこの神。想像を働かせやすいです。バンドーラの封印も意外に早く解くかもしれない



・ダイノ伝記は閉じてしまいましたが、新しい命の物語もここで終わるとは明らかにされていません。
・【恐竜戦隊ジュウレンジャー】は自身の寓話性の高さを発揮して、次なるページを期待させる絵本の最後の頁のように、
視聴者のプリミティブな創作性、未来へのファンタジーを興してくれる、win-winな余地が用意された二度美味しい番組でもあったのです。
・プログラムピクチャー的な悪魔を倒すだけがお話じゃないんだ、
最後にちょっとした不死性を手に入れるお話もあるんだというのを、暗に描いてた、かもと。



・さらに驚かされるのは、その後のスーパー戦隊ダイレンジャー】から【オーレンジャー】までの、
杉村升氏がメインライターとされる番組でも似た要素が設えてあることでした。

ダイレンジャーでは、ずばり有名な「永遠に終わらなくなった正邪の戦い」オチ。孫登場。
カクレンジャーは「心の中の戦いが続く限り妖怪は蘇り続ける」バリバリの示唆オチ。VSで出てきて実際ヤバイ。
オーレンジャーはジュウレンと似てますね。宿敵に対する理性や感情を越えたヒステリアが、孫(ブルドントとマルチーワの子供)をオーレンジャーに託していく愛の勇者オチです。Thanks Ohranger!

・どの番組においても新たな戦いだの、西遊記ロードムービーだののその後を想像させられる種子が残されています。

・親子愛や過酷な二者択一*1も何気に共有してますね。
(バンドーラ→カイのくねった親子愛の道は、親密なゲスト関係においていうと
亮→張遼や阿古丸→コウの母、ガリ→ジライヤなど、エッセンスとして受け継がれているようです。
……あれ……なんか……致死率が高い……?え……?どゆこと……?)



再視聴マラソンする時、また参考になるかも。

*1:同脚本で云う【BLACK】や【ソルブレイン】等で見られるやつ